2013年7月9日火曜日

初めてのイタリアン・ジェラート

1970年の大阪万博。
当時小学5年生でしたが、夏休みに家族で行きました。
丁度前年に西宮市から父の転勤で相模原市に引っ越してきたばかりでした。
大阪市内の親戚の家に泊めてもらって、三泊四日〜四泊五日くらいいたのかなあ。
会場で見たパヴィリオンでなにか印象に残ってるか、と聴かれると何を見たか殆ど覚えてない、と言うのが正直な所です。
『人類の進歩と調和』なんて高尚なテーマは小学生の私には難解すぎました。
でも、それぞれのパヴィリオンの建築が趣向を凝らしたものであったことは印象的でした。
あとは何しろ暑くて人が多かった、入館するのに長蛇の列に並んだ事、でしょうか。

そんな中で、今でもハッキリと覚えている事が在ります。
それがイタリア館のレストランで食べた、デザートのアイスクリーム。

 たしか父がイタリア館の中にあるレストランを予約したんだと思いますが、白いテーブルクロスがかけられた本格的なイタリア料理のレストランだったと思います。
だから旅先とは言え、この日はちょっとよそ行きのカッコさせられて居た筈。
 床は本格的な白い陶器のタイル張りでピカピカに輝いていました。
たしか、魚か肉のコース料理だったと思います。
慣れない雰囲気で緊張していた子供の私にはその内容が何だったか、味の記憶もないのが残念です。

 でも、白い上っ張りを来た多分イタリア人のウェイターに薦められて注文してもらったアイスクリームが、美味しかったのです。

 当時はイタリア料理など今の様に普及してないからピザ屋もないし、『パスタ』ではなく『スパゲッティ』しか食べられませんでした。
アイスクリームだって紙のカップに入ったバニラアイスか、ちょっと気取ってソフトクリームがせいぜい。
 
 ところが、ガラスの高杯に盛られて出て来たアイスクリームは今で言う本格的なイタリアン・ジェラート。
多分リキュールも効かせてあって、乳脂肪分の濃い大人の味。
砕いたナッツ、ドライフルーツ等も入ってるではありませんか。
その美味しかった事!
大人の世界にはこんな美味しいものがあるんだ、と感動しました。
アノとき今みたいにスマートフォンがあったら、即座に写真撮って投稿するのに・・・。

 そんな記憶も遠くなった所に、先日実家の押し入れを整理していたら当時写真のネガやらが出て来ました。

その中から、見開きで文庫本の一ページくらいの栞がみつかりました。
 どうやら、イタリア館のレストランはアリタリア航空が運営していたようですね。
なかを開くとこんな感じ。
記憶にはないけど、イタリアの名画が飾られていた様です。
イタリアで印刷されたのか、例に依って日本語の表記はなんとなく違和感が在ります。

 この栞にはなんと当日のレシートまで挟まってました。
 やはり両親にとっても初めての本格イタリア料理だったから記念に取っておいたのでしょうね。
問題のアイスクリームはリストのどれに当たるのか、多分「N5」と表記されてるモノだと思うんだけど。

ところで、税・サービス料込みで¥4764.-って今の価格でいくらくらいに成るんでしょうね。



2013年7月8日月曜日

映画『最強の二人』

久しぶりにDVDを借りて観ました。
 パリのど真ん中の豪邸に住む、首から下が麻痺の障害を持つ大富豪が世話係を募集、やって来た黒人青年に興味をいだき雇う所から話は始まります。

 ハリウッドとは全く違ったテイストでストーリーは淡々と、しかしフランス人らしい自虐的なユーモア満載で進みます。
富豪と青年が時折交わすきわどいジョークには「おいおい、そこまで言って良いんかい?」とハラハラするのですが、富豪には自分の障碍を笑い飛ばしてやろうという諦めまじりの開き直りともとれる強さを感じます。
またそれを切り返す青年の言葉も、相手を特別扱いしない公平さや障碍と共存して生きて行こうとする富豪への好奇心と同情だけでないある種のエール(応援)を感じるのです。

 ハリウッド映画なら、どこかで泣き所を作ろうとかラストを盛り上げようとあざとい演出するんでしょうが、そういうこともなく淡々とエンディングを迎えます。
こういう終わり方って好きだなあ。

気がつくと音楽もなかなか素敵です。
お薦めしたい映画なので、まだご覧になっていない方は是非どうぞ。

2013年7月7日日曜日

50年前の観光パンフレット


 実家の押し入れを整理していて、レトロなものを発見。
1958年(昭和33年)に両親が結婚して新婚旅行に行った和歌山県の白浜温泉。
宿泊した旅館や観光バスのチラシ、パンフレット、チケット等が出て来たのですが、50数年前とあって殆どが手描きのイラストで、その色彩が独特の色調です。

白浜観光で乗った観光バスのパンフレット。
 開くとお土産のご案内。

 こちらは白浜周遊観光バスのチケット。
乗った区間だけ切り取られています。
 こちらは結婚してすぐ、父の東京出張のついでに夫婦で立ち寄った箱根の遊覧観光バスの乗車券。
どれも、今と印刷方式が違うのか色ズレがあったりしますが、全体としてソフトな印象で、なんとなく手刷りの版画を思わせます。
下は記念に買って来たと思われる白浜観光の絵はがき。



カラー写真からの印刷なのかもしれませんが、なんとなく白黒写真に手彩色したように見えます。

この二つの旅行、旅館の領収書まで残っていて当時の物価水準まで伺えます。
よくもまあ、残しておいてくれたものです。