2015年3月28日土曜日

春を味わいに散歩!

 久しぶりの良いお天気に誘われて、昼から散歩に行く事にしました。今日はいつもより脚を伸ばして近所の里山巡り。

 大きな池と古刹のある公園を目指して、テクテクと住宅街の中を歩いて行きます。
公園に着くと、お天気のせいか結構な人が来て芝生にシート敷いてお弁当食べたりしてました。

 さて、都心では開花宣言が出ましたが、この辺りはやはりまだ早かった様です。
ようやく膨らんだ蕾がほころび出して一輪二輪開花したばかり。
週明けにどんどん咲き出すんでしょうね。
  小さな滝のある泉水に、緋鯉と鴨がのんびりと日なたボッコ。
フラッシュ撮影しても動じません。
撮られ慣れてるんでしょうかね。
 この公園は昔の里山の民家等も保存しているので、藁葺き屋根等が残っています。
でも、さすがにもう梅の花は盛りを過ぎてしまってました。
満開だったら奇麗でしょうねえ。
そうそう、園内には梅園もありました。
 散策路を歩いてると、アジサイのドライフラワー発見。
 モチロン梅雨時に咲き出したアジサイも奇麗ですが、こう言うのもなんだかオブジェみたいでアーティスティック。
 園内の古刹は薬師堂なんですが、その前にそびえるイチョウの大木。
イチョウが黄色く色づく季節に来た事がありますが、それは見事でした。
  今回は鐘楼にも行ってみました。
いつもお寺や神社で思う事なんですが、あの千社札って誰が、いつ貼ってるんでしょうか。
結構高い所の、見えにくい所にまで貼ってあるのです。
なにかご利益在るんでしょうか。
かなり危険だと思うんだけど。
 公園の裏手は、多摩丘陵につらなる雑木林の地形がそのまま残ってました。
ところでこの畑、ナニを植えるんでしょうね。
一面お花畑、なんてのも良いですねえ〜。
 散策路に沿って歩いて行くと両サイドにクヌギの林。
 気がつくと林の上に月が出てました。
 しかし、スッと伸びた梢に真綿を延ばした様な薄雲・・・春ですねえ!
 帰り道の川沿いの遊歩道を歩いてたら、こんなピンクの塊が。
 これも櫻の一種なんでしょうかね。
なんだかお抹茶たてて和菓子が食べたくなりました。
 遊歩道には真っ白なユキヤナギも満開!
小さく可憐な花がビッシリ。
風でゆらゆらとうねる様は、ネコ科の動物のシッポの様でちょっと妖しい雰囲気です。
 何処の子供が流したのか、大小のボールが2個。
水の流れに絡まれてクルクル回るものの、どうしても抜け出せない様です。
でもなんだか仲良く遊んでる様にも見えて、楽しそう。

往復4時間の散歩でした。
今度はなにかお弁当を用意して行こうかな。


2015年3月26日木曜日

打ちのめされて来ました! 中村ミナト作品展


今日は近代美術館・工芸館で中村ミナトさんのジュエリー作品に打ちのめされて来ました。

 いや〜、スゴイ!スゴイ人だ!
私がジュエリーの勉強を始めた頃には既に有名になってらしたので、『宝石の四季』などの雑誌でも度々作品を拝見していました。
 また、女史のアトリエであるメイフラワー・アトリエのみなさんとお知り合いになるにつれ、お目にかかってお話しする機会も度々あったのですが、気さくで気取らない方なので、当時はそんなに緊張感もなくお話していたのです。

 しかし、こうやって今回の様にその作品をまとめて年代順に拝見すると、女史のジュエリーを通しての自己表現の可能性へのチャレンジと言ったものが見えて来ます。
 その表現のスペースを拡げて来られた軌跡が、今の日本のジュエリーの世界に大きな影響を与えているのがよく解りました。

 言わば南極海や流氷の海を氷を割って進む、『砕氷船』の様な方だったのですね。
彼女の通った跡は氷が割れて、水面が大きく広がって行くのです。
 様々な分野に彼女の様なICE BREAKERと呼ばれる方は居るのでしょうが、その苦労はいかほどか・・・。

 イヤ、きっと別に苦労じゃないんだろうな。
「ジュエリーはこうあらねば」という既成概念等、彫刻を志していた女史には縁の無いモノだったろうと思います。
 『身にまとう彫刻』とはどんなものだろう?
どうしたら自分の思い描いた立体的な空間を、身体の上と言うミニマムなスペースに転移出来るか・・・・、楽しんでやられていたとしか思えない。

 二枚目の写真の作品。
まさに、屋外に設置する女史の彫刻作品を思わせるブローチ。
三枚目の写真右ページ、ドーナツ状の円盤をひねった時に偶然現れる造形を、そのまま凍結した様なブローチ。
ワタシはこの両シリーズに、感銘を受けました。

 デザインを考えてる時に、偶然ひねった紙から思いついたのかもしれないけれど、そういう過程も含めてこういう形を見つけた時って、本当に楽しくてワクワクするだろうなあ〜と思うのです。

 もちろん、装身具としての完成度の高さがその発想をオモチャで終わらせていない、と言う事がベースに在るのですが。
 かといって、技術的にもの凄くハイレベルな事をされてる訳ではないのです。
出来たものを見れば、『な〜んだ、そう言う事か』なんだけれど、その面白さを見逃さない感性。
それだけでなく、それを完璧な作品になるまで細部をリファインして行く作業こそが、素人や凡人には真似の出来ない技と言えます。
そういう感性を錆び付かない様に日々研ぎすましつつ養い続け、常に自分にとって最新の面白いものを追い求めていく姿勢を永年続けて来られた訳です。

 こういう作品の数々を見ると、しかも20年も30年も前にあんな素晴らしい作品を創られたら、しかもそれがマッタク古さを感じさせないとしたら、じゃあコレから私はナニを創れば良いの・・・・?
 なんだかナニを創っても、彼女の影響から抜けられない様な気までして来るじゃ在りませんか。

まあ、天才を相手にひがんでも仕方ない。

凡人の私には、それでも私にしか出来ない、やらずにはいられない、私しかやらないだろう事をやるだけだ。







2015年3月8日日曜日

ピンクサファイア/ドロップCZ 花ブローチ製作工程

 前回に引き続き製作工程の紹介です。
今回はコチラのブローチ。
中心にピンクサファイアを入れた、
ドロップ型キュービックジルコニアの花のブローチ。

 まずは花びら部分から。
中心のラウンドの石枠は丸棒のセンターに穴を開けてパイプにし、爪を五つに割って造ります。
 周囲のドロップの石枠は2mmの板材を円形に切り抜き、中心に穴を開けてドーナツ状にした板の中心を凹ませて造ります。
 すり鉢状にしてから五枚の花びらを大まかに切り出し、石が座る様な穴を開けます。
 中心の石に出来るだけドロップの石が寄る様に石座のあなを拡げて行き、ラウンドの石枠と花びら部分を裏側で溶接します。
 その後はドロップの石の形に合わせて、石を載せて確認しながら余分な部分を削り落として行きます。
 裏側の溶接部分は削るに連れて小さくなるので、強度不足にならない様に、形が整う前に今一度シッカリと溶接します。
 試しに石を載せてみて高さ等確認します。
この後、表側から見える中石枠と花びらの接合部分も溶接します。
石座の大きさは、爪を溶接後に整形する事も考えて、未だ少し大きめにしてあります。

 1mmの丸線をリューターに加えて回転させながら0.6~0.65mmに成る様に削ります。
石枠の爪の位置に丸線がはまる窪みを削り、そこに丸線を載せて溶接。石座の内側の上と裏側で溶接します。

 花びらの次は葉っぱを造ります。

 デザイン画は描いてないので、頭の中のイメージを展開して平面に直した形で1mm厚の板を切り抜き、矢坊主、タガネで裏からたたき出して葉っぱの膨らみと葉脈部分の峰を造って行きます。

 とりあえず葉っぱの形に成った所で、花びら、茎、葉っぱを寄せてアロンアルファで接着し、全体のバランスを見ながら葉っぱの長さや幅、大きさ、曲がり具合、茎の長さや曲がり具合、太さを調節します。
 裏側から葉っぱを見ると、タガネでたたき出した痕がまだ残っている状態です。
 茎や葉っぱの様に膨らんだり曲がった形を修正するには、地金が加工硬化しているので一旦加熱して焼きなまさないと自在に曲げられません。
それでどうしても画像の様に表面に酸化膜が出来てしまいます。
 下の画像では茎の裏側部分を削った部分だけもとのチタンの色に成っています。
何度か修正しては仮組み立てを繰り返して最終的な形とレイアウトを決定します。

 接着材を一旦焼き飛ばし、葉っぱには丸線で腰を張って行きます。
チタン自体は硬いので、無くても変形はしないのですが、茎との接合部を大きく出来るので、溶接技術の練習も兼ねて張っています。

 思えば専門学校を卒業して入社した会社で、始めてこのように『腰を張る』と言う作業を知りました。
シルバーやプラチナなど、柔らかい貴金属でこの様なパーツを造る時には、今でも欠かせない技術だと思います。

 まずは葉っぱの裏側をリューターのカッターバーやゴムホイールなどで仕上げます。
茎に着く部分から丸線を張って行きます。
途中に補強に成る柱を造るのですが、今回は同じ1mmの丸線を差し込んで溶接しています。
この丸線で腰を張る作業、ロー付けなら隙間にロー材が流れてくれるので簡単なのですが、私の道具の様にスポットでしか溶接出来ない道具で線状にキレイな溶接をするのはなかなか難しいのです。
下の画像は丸線腰を内側から見た所。
変色している溶接部分を後でキレイに削って整えるので、しっかり中まで溶接出来ていないととれてしまいます。
 溶接が完了して本体に付ける前に仕上げた所。
溶接痕が線状に出てないと言うのが、上手く溶接出来たと言う事。

 花びら部分も爪の溶接完了後に仕上げして、茎に溶接。
その後葉っぱも溶接して行きます。
この溶接作業で折角張った丸線腰を溶かさない様に、細心の注意で溶接します。


 どうやら、今回は上手く溶接出来た様です。
全ての溶接痕を確認したら全体を仕上げて、茎の部分に打刻。

葉っぱの表面は最後にヘアライン仕上げにするので鏡面の少し手前で止めておきます。


 石留めが完了したブローチ。
途中、爪がとれたり折れたり、石が一個無くなったりとトラブル続きでしたが、幸い細かな修正溶接にも慣れて来たせいか、なんとか形に成りました。

 ブローチ金具も自製しているのですが、今回は画像を撮り忘れていました。
石留め後に最終仕上げをし、葉っぱの裏側・側面、茎の上下面は鏡面仕上げ。
葉っぱの表面、茎の側面はヘアライン仕上げとしました。

サイズ 60mmx25mmx10mm
合成ピンクサファイア・ラウンド3mmx1個, 4mmx1個
キュービックジルコニア・ドロップ3mmx5mm 5個
ブローチピンのみステンレス・バネ1mm径使用

2015年3月5日木曜日

海岸を散歩

 今日は朝から穏やかな良いお天気だったので、どこかに行きたくなってしまいました。

 考えてみると最近長距離歩いてないなあ〜と言う事で自宅周辺の地図を眺めながら、どちらに向かって歩くか考えていたのですが、自宅周辺はあらかたどんな景色か想像がつくので、普段行かない所に行こうと思ったのです。
・・・と言う訳で電車に乗って到着したのが終点の片瀬江ノ島駅。
なんだか竜宮城と言うより金魚鉢の中に入れるミニチュアみたいな駅舎。
 毎朝通勤でこの駅から乗るのは、ちょっと恥ずかしいかな〜。
会社じゃなくてどこか別の所に着きそうです。
 駅を出て一旦江ノ島を見渡せる東浜まで行ってみました。
良いお天気なので、観光客がけっこう橋を歩いて江ノ島に向かっています。
久しぶりに江ノ島でも、と思ったけれど、なんだかカップルだらけなのでオジサン一人ってのは場違いかなあ〜と遠慮しました。
 江ノ島西浜海水浴場。
関西から関東に引っ越して来て、初めて鎌倉の海に来た時には海岸の砂が黒いのにビックリしました。
『白砂青松』どころか、汚れてるんじゃないのかと思ったもんです。
でも考えたら住んでる所の土も黒いし、河原の砂も黒いんだからねえ。
『富士山の火山灰が降り積もった関東平野』と言う事を思い出して再確認しました。
でも砂鉄が多く含まれてて、だから日本刀に相州ものの名刀が産まれる素地に成ってる訳だから、悪い事ばかりじゃないんですね。
 辻堂あたりまで歩くとサーファーが大勢。
 空模様は雲が出たり晴れたりで、なかなか変化に富んだドラマチックな様相でした。
あんまり雲一つない晴天より、多少雲が流れてくれた方が絵に成るなあ。
 さっきまで砂浜だったのに、急に小砂利ばかりの砂浜に成りました。
しかも石粒の大きさが割と奇麗に揃ってる。
波の勢いとか波打ち際を波が引く速度とか物理的な要因で砂浜だったり小石だったりするんでしょうか。
 えぼし岩がだんだん近くなって来ました。
どうやら強風注意報が出てると電光掲示板には表示されてるんだけど、海岸に居るとほとんど風を感じないんだけど、どういうことなんだろう。
でもそう言われてみると歩き始めたときより波は勢いが強い様にも見えるんだけど、それは海底の地形のせいもあるからなあ。
 サーファーの一群から一人離れてポイントを探す青年と歩調が合ってしまいました。


 この後彼は意を決して海中に・・・・。
たしかに海を見つめてるサーファーってのはカッコイイ。
第一、男女問わずみんな均整のとれた体型をしてるよね〜。
モテる訳だ。

 私の様に一人で黙々と砂浜を歩く青年も発見。
ナニを考えながら歩いてんだろうな〜。
大学生くらいの時って、ああして一人でいる時間って大事なんだよね。

 茅ヶ崎も近くなって来て、えぼし岩も目の前。
丁度太陽がその真上に来て輝く水面にシルエットになり、まさしく『春の海』です。
 これは海岸の砂の流出を防ぐ為の人工島でしょうか。
茅ヶ崎漁港近くの海岸も砂をどこかから持って来てましたが、大きな台風が来れば元の木阿弥でしょうに。
 川にダムばかり造って小さな河川もコンクリートで覆ってしまったから、砂の供給が追いつかないんですね。
なんだか『焼け石に水』だと思うけど、そう言う工事で潤う大手ゼネコンには美味しい話しなんでしょうね。
 そろそろ箱根山の方から雲が出てヒンヤリして来ました。
 今日はここまでにして、帰るとしましょう。