2012年12月6日木曜日

美の女神は細部に宿る

先日ご紹介したT女史の個展に、今日行って来ました。
いつもはTNTの三人でディスプレーするのですが、今回は私もお手伝い出来なかったので、殆ど飾り付けのないシンプルな会場になりました。
 しかし展示してある商品は、目のきく人ならこれは!と唸るようなものばかり。
前回も話した様に決して派手ではないのですが、長いキャリアの中で昔から買い付けて来た高品質の美しい色石。
それを生かすシンプルなデザイン。
しかも、石の価値や加工にかかるコストを考えると驚く様な値段です。
本当にこんな値段で良いんでしょうか?と思わず確認してしまいました。

もっと驚くのが壁にさりげなくかけられたネックレス。
全部天然石、パール等を使っているのですが、全てT女史自らが石をチョイスし配列を考えて自分で組んでいるそうです。
かなり昔に買い集めた石ばかりのせいか、今では探してもなかなか見つけられない程とても高品質。
天然石なので当然同種の石でも大きさやカット、色味等にバラ付きが在るのですが、それらが絶妙に配列され、石や珠同士の間隔、グラデーションが何とも言えず上品な雰囲気を醸し出しています。

女史は一時期、毎年夏の数ヶ月はイギリスで暮らしていた時期があったせいなのか、私はシルクのシャツやカシミアのカーディガンといった、英国のトラディショナルな上流階級の装いにピッタリな色遣いを感じました。

 いずれにしろ極小のビーズ石を一つずつ糸を通しながら組んで行き、石同士の間隔や微妙な色の配列に細やかな神経を配らないと出来ない作業で、一旦組んだものを気に入らないとまたバラして組み直す事も何度か在った様です。
普段ジュエリーのデザインするのと同じくらい、細部にまで拘りがあるのが、見れば見る程解ります。
(同じ様な天然石のビーズアクセサリーを造ってる妻は、その細部までの拘りに自分の作品との大きな差があることに愕然としていました。)

 そんな苦労と使われてる石の見事な発色を考えると、何度も言いますが、考えられない様な値段。

 流石に銀座だけあって、通りがかりに目に留められたお客様に
『イタリアで買ったらその5倍くらいするわよ!』
と驚かれたそうです。
やはり解る方には解るんですね〜。

今日も数本売れてましたから、在庫僅少。
二つと同じモノが出来無いので、是非お早めに観に行かれる事をお薦めします。

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