2013年1月28日月曜日

祖母のアルバムから

 先日実家に帰った時、祖母のアルバムの写真を整理したいと母に頼まれました。
アルバムにしておくとかさばるし、アルバムの台紙自体が劣化して来てボロボロなので、写真だけはがして画像をスキャナーでデジタル化しておけば嵩張らないし、何時でも見られるということで写真を預かって来ました。

 早速スキャナーでとりこんだのですが、なにしろ古い白黒写真なうえに、撮影時の情報が全く判らないものがいくつかあって、整理は意外と大変そうです。
なにしろ祖母を始め写っている人間の大半が死去していて、被写体の名前や撮影場所や日時等、頼りになるのは母の記憶だけですから。

それにしても感心したのが、古い白黒銀塩写真の耐久性。
かつては写真自体が特別な時に撮られる高価なものだったせいか、プリント時の化学処理が適切で、現像処理後にきちんと時間をかけて水洗されてたんでしょうね。
加えて大事に保管されてめったに見なかった事も在るのでしょうが、明治、大正、昭和初期〜30年代の写真は、変色もなく綺麗なプリントが多かった。
逆に70年代以降のカラープリントのほうが褪色してしまってます。
機械で大量に現像と同時にプリントするシステムが普及して、カラー写真が急速に普及しだした頃ですね。
安さ早さを競っていた弊害が、こんなところで出て来る訳です。

さて、いまから百年近く前に撮られた写真。
右端が私の母方の祖母10歳。中央がその兄で長男12歳。左が妹で6歳。
今時の子供と較べると小さく幼く見えるけど、三人共眼に力がありますねえ。
祖母はやっぱり気が強そうな顔してます。
 この老紳士が母の祖父になります。
なかなかハイカラな紳士だった様です。
 上の写真で幼かった祖母も、19歳にもなれば番茶も出花。
なかなかの美人に撮れてると思いますが如何でしょうか。

こんな初々しい写真を見たうえで、まだ記憶に新しい晩年の祖母を思うと、やはり戦後の苦労が人相を変えてしまったんだろうなあ、と思うのです。

戦争ってイヤですね〜。

2013年1月22日火曜日

懐かしい風景

たまたま立ち寄った書店で見つけた写真集。
『昭和の京都』写真・浅野喜一

昭和30~40年頃の京都の市街を撮影した写真集です。

大阪で生まれ育ち、終戦間近に空襲で焼け出されて岡山県津山市の実家に戻っていた母が、生活の為に祖母と京都に出て来て父と出会い結婚したのが京都でした。
小学生低学年を西宮市で過ごした私にとって、両親に連れられて観光に行った記憶の中の京都が甦ります。
丁度私が産まれた頃の街の様子が写されているのですが、今となっては別の国を見ている様です。
ちょうど高度経済成長期にかさなる期間、繁栄と引き換えに失って行ったものが多い事にも気づかされます。
路面電車等、もう一度京都の街を走らせる訳に行かないんでしょうかねえ。


季節を感じる時

 吹く風の薫りや冷たさ暖かさ、空や雲の高さ等『季節を感じるとき』って様々在りますが、やはり食べるもので四季を感じる事が多いですね。
春の山菜に始まって、日本は様々な食材が季節を感じさせてくれます。
日本に暮らす幸せのひとつですね。
ここ数年、それに加えてもう一つ季節を感じさせてくれるものが、専門学校講師時代にお知り合いになったT先生から届く『柚子マーマレード』
御自宅の柚子の木になった実から、先生が手造りされるそうです。
大量の柚子の皮むきに始まって煮詰めている間は鍋の前を離れられないでしょうし、大変な作業だと思います。
いただく度にその馥郁たる薫り、微かな苦みを含んだ甘み、酸味を楽しませていただいて居ります。

 オレンジのマーマレードにも美味しいものが沢山在りますが、あのビターな甘みは柚子のものに較べると洋風ですね。
柚子のマーマレードのほのかな苦み、酸味と鮮烈な薫りは、禅宗の古刹で苔むす日本庭園を眺めて居る様な凛とした気分にさせてくれるのです。

その、手作りの貴重なマーマレードがT先生から今回はなんと一度に三ビン、おまけに一番小さいビンは柚子の皮だけで作った甘煮だそうです。

これからしばらく、朝食の時間が楽しみになりそうですが、さっそく今朝トーストに塗っていただきました。
 ビンの蓋に記載された日付が作られた日で、柚子の実の出来具合を見計らって採取してその都度作られるそうなので、11月12月、今年に入ってからと、ビンごとに微妙に味が異なるのだそうで、それも楽しみです。
スイーツ好きの妻は送られて来た箱を開けた途端に小躍りして歓び、今から柚子ピールの甘煮を楽しみにしています。
ウッカリするとゴッソリ食べられてしまいそうです。

ともあれ戴いてばかりでお返しもしていないT先生に感謝!
有難う御座居ます、そしていただきま〜す!

2013年1月15日火曜日

『おじさん図鑑』

年賀状の印刷をしようとプリンターを用意した所で、ハガキ用紙が足りない事に気がついたのですが、Amazonで注文するついでにTVだかツイッターだかで話題になっていた
『おじさん図鑑』なかむらるみ著
を買いました。
印象的なイラストが、街をいくおじさんの生態を巧く捕らえていて笑える。
私もオジサンと呼ばれる年齢なので、この本のどこかに分類されてるかなあと思ったのですが、なぜかあてはまるものが無い。
どうやら作者の関心を引くのは、サラリーマンやリタイアした60歳以上の男性が中心らしいのですね。



残念な様な、ちょっと安心なような・・・。



『007スカイフォール』

実は先日楽しみにしていた『007スカイフォール』を観て来た。
これまでのダニエル・クレイグ主演前二作と全く違った趣の映画だった。
良い意味で期待を裏切られた、ともいえる。
確かに予告編に出て来る凄いアクションシーンはあるのだが、それらは殆ど印象に残らない。
前二作と較べても物語の進行するテンポはゆっくりしている。
それが作品の重みと言うものに繫がってるのかもしれない。
個人的な感想だが、この映画はボンドのための映画ではなく、ジュディ・デンチ演じるボンドの上司Mと部下であるボンドの関係をテーマにした映画だ、まだ明かされていないボンドの生い立ちも伏線になっていると思った。
むしろ主役はMである、と言っても良い様な気さえする。
結末を明かせないのでこれ以上は書けないが、イギリス人の中に今も流れているのだろう『ジョンブル魂』と言う様なモノを強く感じた。
日本の政治家、官僚にも見せたい映画だ。
今回は脇役でしかなかった兵器開発係のQや、Mの秘書ミス・マネーペニーのキャラクターも詳しく描かれる。
今後の作品で、彼らがボンドとどういう絡みをみせるのかが楽しみだ。