2010年3月10日水曜日

スナイパーと言えば・・・

ゴルゴ13が真っ先に思い浮かびます。
十代の頃にゴルゴ13に触れ、一時は単行本も50巻まで集めてました。彼のおかげで国際政治や軍事情報に触れるきっかけが出来て現実社会がどんな力で動いてるのか・・等、けっこう勉強になりました。

 しかし、彼はあくまでフィクションの産物であり、犯罪者で非合法に対象を狙撃して金を稼いでいます。
ところが、現実の社会には合法的に対象を狙撃し殺害している人達がいます。
彼らは時として英雄として国家から勲章まで授与されます。
それが、狙撃兵(スナイパー)です。


彼らは軍隊の中に在りながら団体では行動しません。
個々が特殊な技能を身につけた、いわば職人、プロフェッショナルです。
ランボーとは対局にあるワンマンアーミーですね。
そんな世界が覗いてみたくてスナイパー物の小説を何冊か読んできましたが、近年最も面白かったのがこの本。


『極大射程』原題POINT OF INPACT スティーブン・ハンター著 新潮文庫
先日テレビで放映された『シューター』の原作です。


 ベトナム戦争に従軍した海兵隊の伝説的英雄ボブ・リー・スワガー
退役してアーカンソーで暮らす彼がある陰謀に巻き込まれ、大統領暗殺犯として追われる事に・・・・という話なんですが、実に周到に練られたストーリー展開、しっかりとリアリティーを支えるディテールと言い、主人公のキャラクターのみならず作家の天才にも感嘆します。
文庫で上下二巻ですが全く長さを感じさせません。
スワガーを主人公としたシリーズも何作か刊行されてるので、シリーズで読んでみるのも良いと思いますよ。


実はこの映画は観に行ったのですが、記憶に残らないくらいつまらなかったので、もう一度テレビで見直して原作も読み返してみました。


 結果として・・・あの原作をどうやったらこんなにつまらなく出来るの!と言う出来でした。
舞台を現代に設定したせいか、主人公も若く(ベトナム帰りでは年齢が高くなる)、原作読んでるこちらとしてはイメージが合いません。
全く新しい話としても最後のけりのつけかたが納得いかないなあ。


トム・ベレンジャー主演の『山猫は眠らない』の方が出来は良いと思いますね。
彼を主役にしてオリジナルに忠実に作って欲しかったなあ。



0 件のコメント: