2011年8月7日日曜日

読書『江戸巷談 藤岡屋ばなし』

最近、本棚の整理をしたせいで、昔買った本を読み返しています。
『江戸巷談 藤岡屋ばなし』鈴木棠三
ちくま学芸文庫
 数年前買った時は、ベッドサイドに置いて寝る前に面白そうな所を気の向くままに乱読していたのですが、そんな本が何冊か溜まると自然に積ん読(つんどく)になってしまっていたのです。
どんな内容かというと、文庫のカバーに書かれた宣伝文句が以下のごとし。


『時は幕末、外神田のお成道に、筵いっぱいに古本を並べて商う一人の老爺があった。この男、“御記録本屋”藤岡屋由蔵、日がな一日、素麺箱を机に黄半紙に禿筆でなにごとかを書き付け、吹きつける砂塵のなかで悠然として筆を休めることがない。―この集積が『藤岡屋日記』である。小説をはじめさまざまな著作の種本ともなった珍談・奇談の宝庫であり、世相・風俗・政治情報の貴重な記録だが、あまりに浩澣すぎて、また雑多すぎて、敷居が高い。そこで一般の読者のために、おもしろい話を選んで編んだのが本書。世相の鏡、小説より奇な『藤岡屋日記』の世界へようこそ。』


 まさに江戸時代を舞台に『事実は小説より奇なり』を地でいくような、まあ今で言う週刊誌や日刊紙ネタの数々が満載です。
決して歴史の表舞台に出て来ない人物が起こした、これまた歴史にはたいした影響を与えなかっただろう事件の数々を見ていると、当時はとにかく御家の体面が大事というのも見て取れます。
同時に、人間って時代が変わっても、その行動に愛憎とか欲望が大きく関わると言うのは変わらないなあ、と思います。


さすがによく判らない話もあるのですが、著者の解説があるので安心。


現在出版されているか不明ですが、Amazonでは中古が買える様です。



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