2012年1月8日日曜日

1982年のロンドン・2

今回は地下鉄から。

 1854年というから日本では江戸幕府がアメリカに開国した頃には開通していたロンドンの地下鉄。
 それから100年以上経ってるわけですから古いのは当たり前だとして、日本の地下鉄から見るとその施設のあまりの古さに驚きました。
なかでも古い路線に残っていた、第二次大戦以来変わってないのではないかと言う様な古いエスカレーター設備にはたまげました。
上の写真のエスカレーター、ステップの部分が木の桟です。
ステップの高さに当たる側面も手すりのサイドパネルにも木材が張ってあります。
手すりのベルトも表面のゴムがすり減って、芯の繊維がむき出しになってるような感じ。
いや〜質実剛健なジョンブル達はモノを大事にメンテナンスしてここまで使い倒すのか〜、と感心してしまいました。
まあ、多分経営状態が厳しくて、そちらにまわす予算が無かっただけなんでしょうが・・・。
もちろん新しい路線は列車も奇麗でホームやエスカレーターも新しいのですが、全体に古めかしいものをだましだまし使ってる感じでした。
 
 そう言えば、地下鉄の車内も床は木の桟が張ってあって、その溝にタバコやゴミが挟まっていたのを憶えています。
流石に1982年当時日本にはこんな古色蒼然たるエスカレーターは残っていなかったと思います。
 たしか後1987年に地下鉄キングスクロス駅構内で火災事故が起きて、それをきっかけにこういった古い施設は一新されたと聞きました。
 
 しかし、それ以上に心に残ったのはエスカレーターの乗り方。
みんな右側に立って、左は急ぐ人に開けておくという日本でも近年普及して来たマナー、というかルールがそこには厳然としてありました。
(そう言えばこのルール、不思議な事に日本では関東と関西では立つ位置が逆ですね。)
 当時の日本には無かった習慣なので、空港に迎えに来て下さったMさんのご主人に教えられて
『なるほどね〜!』
と感心したものです。
確かに見ていると、混雑していても皆さんエスカレーターの手前から一列に並んで待ち、右側に立っています。
エスカレーターに乗るのに並ぶって、当時の日本では見たことが無い光景でしたから新鮮でしたね。
そんな訳で入国早々の第一印象は
『マナーとルールの国イギリス』でした。


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