2011年7月5日火曜日

映画『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』

映画の中で印象的なダンスシーンと言うと、アル・パチーノが盲目の退役将校を演じている、この映画を思い出します。

『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』
 
世話になっている家族が旅行に行くために彼の世話をアルバイトですることになった名門校の青年が、気難しく厭世観でトゲトゲしている彼と数日間を過ごすのですが、彼のワガママに振り回されながらも少しずつ心が通い合う様になっていき、最後は青年の窮地を救うようになる。細かい部分は憶えていませんが・・・まあ簡単に書くとこんな映画です。
見所は各所にあるのですが、特筆すべきはやはり盲人を演じたアル・パチーノの見事な演技でしょう。

映画の中でこのタンゴを踊るシーンがあまりにも素晴らしかったので、他はあまり憶えていないのですが、NYの街を真っ赤なフェラーリで疾走するシーンも記憶に残ってるなあ。
だって盲人役のアル・パチーノが運転してるんですよ〜!

 でも、考えてみると人生がイヤに成ってもうどうにでもなれ!と思ってる人間が最後に走らせるのに真っ赤なフェラーリって象徴的でピッタリですね。
 残念ながらフェラーリを運転した事がありませんが、速度を上げるにしたがって高鳴る官能的なエンジン音とエグゾースト・ノートが背後から聞こえて来る・・・。
人車一体になればなるほど破滅的な衝動に駆られて
『エーイ、ままよ!』
とアクセルを踏み込んでしまっても、不思議じゃないだろうなあ。

 昔乗っていたランチャ・デルタ・インテグラーレですら、コーナーを三速で加速して抜けて行くときは、思わず右足に力が入りそうでしたからねえ。
 かつてのフェラーリの様に、人の手で組み上げられ調整され魂のこもった工芸品の様な車は、どこかにそんな魔力を秘めていそうです。
『コイツとなら事故って死んでも良い!』
なんて一瞬思ってしまう・・・車に『魅入られる』って事でしょうか。
実際そんな事故が実はありそうなのが、フェラーリって車かもしれませんね。

 盲目となり軍人としてのキャリアも断たれて、人の世話にならなければ生きて行けなく成った誇り高き軍人が、人生の最後にアクセルを踏み込む車・・・フェラーリ以外ピッタリ来ないでしょ?・・・というかそこでフェラーリを選ぶと言う事で彼のキャラクターや人格が理解できます。

 そのせいか、あるいは単に映画人がフェラーリ好きなのかフェラーリがストーリーに絡む映画ってけっこう在る様な気がします。
モチロン、ビジュアル的にも美しくてインパクトがあるし、セレブの象徴として一般人にも解りやすいからキャラクター付けが楽、というのもあるでしょうね。

とにもかくにも、人生で一度は運転席に座り思いのままにエンジンを歌わせてみたい車ですねえ。



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