2010年2月7日日曜日

ポニョが解らん 2

昨日に引き続き・・・この話題。


 どう評価するかで自分の立ち位置も客観的に見えて来るような気がするので、世間の皆さんはどういった感想をお持ちなのか思い、ネットでいろいろ検索してみました。
やはり戸惑ってるかたがいらっしゃるようで・・・・。
中には子供が母親を名前で呼び捨てにするのはいかがな物か!なんて声もチラホラありましたね。
宮崎アニメの社会的認知度と影響力の大きさを感じる反応です。


 単純に少年に恋をしたポニョは魔法の力を持つ事等知らずに、ひたすら少年を追いかける。
それによって人間世界は嵐、津波、大洪水に見舞われるんだけど、少女のポニョはお構いなし!
周囲に大洪水を引き起こしながら波の上を笑いながら走り、少年を追いかけるシーンなんか普通に考えたらホラーパニック映画です。追いかけて来られたら恐ろしいはずだけど・・・。
 少年もそんな恐ろしい事を引き起こしたポニョを少年は何のこだわりも無く引き受ける。
五歳の少年には身の回りの事以外大災害の全体像も見えないし、将来自分の心が変化するかもしれないなんて考えないからね。
で、ポニョは人間に成り、魔法の力も無くなり、それによって引き起こされた災害も収束、めでたしめでたし・・・・。
と言う訳・・・なんでしょう。


悲劇で終わったアンデルセンの『人魚姫』の対局にある話で、良い意味での子供の素直なわがままを肯定、応援してるのかもしれませんね。
生きにくい現代に生きる子供達への監督のエールなのかもしれません。
『だって、好きなんだもん!』
それが子供で、子供はそれで良いじゃない!って。


黒沢映画の晩年を見ているようだ、との感想にはそうかもねえ!と頷いてしまいました。
椿三十朗』や『隠し砦の三悪人』『天国と地獄』なんかを撮っていた監督が晩年にはまったく評価の分かれる作品を発表してました。
ポニョにもきっと子供達に向けた監督の思いが詰まってるのでしょうが、それを説明的に無理矢理詰め込まなかったのかもしれませんね。
 ただ、手書きの作画がが素晴らしい、という評価にはそうかなあ〜という感じです。
なにせ、私の子供の頃は、鉄腕アトムから始まってアニメは皆手書きだったし
戦前のディズニー映画『ファンタジア』なんかを子供ながらに見て育ったので、特に凄いとは思わなかったですね。
でもこれも、映画館の大きなスクリーンで見ると感動するのかもしれないですね。


まあ大人はともかく、五歳の子供には小難しい理屈を考えたり細かい事突っ込んだりせずにすなおにワクワク感動して
『可愛かった、面白かった〜!』
と言ってもらいたい物です。


この映画を是非見せたい、とまでは思わないけど、自分の子供が五歳くらいならそうあって欲しいです。


そう考えると、デザイナーが理想の女性をミューズとして作品を創造する様に、監督は理想の子供像に向けてつくったのかもしれませんね。
あいにく、現代の子供達にも受けはイマイチだったそうで監督は落ち込んだらしいですが・・・・。


 自分が監督の歳になってからもう一度見直してみたら、感想は変わるかもしれませんね。



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