2010年5月9日日曜日

『座頭市』

GW中、ネットの動画配信サイトで古い映画を見つけて何本か観たのですが、面白かったのが『座頭市』シリーズ。モチロン座頭市と言えば主演は勝新太郎に決まってます。
 今回見たのは1962年から始まった劇場版シリーズの内、60年代後半の三本でしたが、まだ若さが溢れる勝新の抑えた演技にも脂がのって来たころの作品かと思います。
脇を固めるキャストも一流で、特に老優が素晴らしい存在感を出してました。
そして、今見ても殺陣の素晴らしさには感心します。
狭い中で大勢が入り乱れてのシーン、斬られる方とて一歩タイミングを間違えば大怪我間違いなしの緊張感が画面から伝わって来ます。
加えて、刀を振り回すのに馴れてないヤクザと捕り方の侍では、その構えからして差がある・・・など、撮ってる方では当たり前かもしれませんが、改めてプロの仕事には感心します。


 又、その頃の日本は丁度高度成長経済のまっ只中、日本中街も村も景観が変わって来つつ在る中ロケハンに苦労したとは言え、まだまだ看板も鉄塔もトタン屋根も写らず引きの絵が撮れたんだなあ、と言うのにも感心します。
今はあんな農村風景は何処行っても無いから、撮れないでしょうねえ。


 それにつけても、やはり勝新太郎なくしては生まれなかったキャラクターですねえ。
盲目の按摩というディテールをよく表現して実在感があるし、仕込み杖を抜き放った時の構えが決まっていて絵に成ってます。
初期の頃はあまり血しぶきなんかも飛ばず、刀を振り回す音も鋭く控えめ。みんな静かに斬られて行きます。座頭市の職人芸を鑑賞している感があります。
 最近では、北野武も演じていて、それなりに面白かったのですが、なんとSMAP香取慎吾が演じると言うので、公式サイトを見てみましたが・・・イタイなあ〜!
 
 最後の座頭市という設定のストーリーなのに北野武ならまだしも、香取君ではまだ若すぎますよね〜。
刀をただ振り回してる若いチンピラにしか見えないし、台詞読みもたどたどしくて・・・・おまけに何時の間にやら妻迄居る事になってます。
映画化はこれが最後なんて話ですが、有終の美を飾るというにはほど遠いのでは無いでしょうか。彼の人気だけで客が入ると思ってるんですかねえ。

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