2010年4月16日金曜日

ものの哀れ・・・

本屋で新しい本に出逢う前、作品展も終わり桜の花もとうとう散り始めたのを見て、以前読んだ平家物語を再読したくなり、本棚から引っ張りだして来て読みました。
もちろん古文体なので、恥ずかしながらそのまま読み下せる程教養がありません。
講談社学術文庫から全12巻で出版されているもので、現代語訳と註がついています。
この9巻は宇治川の合戦から一の谷の合戦と続き、平家の公達が次々と落命してゆく様が描かれていて、まさにクライマックスの始まりといった所です。
文武に秀でた忠度(ただのり)の最後や、うら若き笛の名手敦盛(あつもり)の最後はドラマティックです。
強いだけで優雅さに欠ける坂東武者によって滅びてゆく平氏に諸行無常、ものの哀れを感じざるをえません。
まさに満開の桜が一陣の風に枝を揺らし一斉に花が散り行く様を想い起こさせます。
長い物語の中の様々なエピソードが、文楽や歌舞伎の演目に成っているので読んでおきたいと思ったのがきっかけでしたが、日本人としてやはり一度はどこか一節読んでおきたいものです。

後は源氏物語、万葉集・・・『見るべき物は見つ』と言って死んだ平知盛の様に『読むべき物は読んだ』と行きたいところですが・・・・。
もっと若いうちから古典を読んでおけば良かった、と今更ながら後悔しています。

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