2011年3月15日火曜日

再構築

福島で起きている原発事故で余談を許さない状況が続いています。
ここに来てようやくアメリカの専門家やIAEA(国際原子力機関)に協力を要請した様です。
あまりに遅いタイミングにあきれ果ててしまいます。
 うっかりミスで燃料切れを起こし炉心の燃料棒が露出してしまう・・・なんて呆れた話に象徴されるように、東電の事故対応能力や危機管理能力に疑問符がつくのですが、責任追及は危機を脱してからにしましょう。


 さて、今日から始まった計画停電。
今回の原発事故が主な原因で電力が足りなく成った訳ですが、今後国家全体の危機管理を考える時に、一地域一社独占という今の電力ネットワークは再考しなくてはいけないんじゃないでしょうか。
残念ながら日本は歴史的経緯から東西で送電されている電気の周波数が異なり、現状ではそのままでは東西に電力を送り合えないのです。
そのため中間に変電所を設けて周波数を変換しているのですが、その能力が平時はともかく現下の状況には間に合わないくらい低かったのです。


 今後日本全体で電力を融通出来るように、なんらかのシステム変更が必要でしょうね。
根本的に周波数をどちらかに合わせるというのは多分不可能でしょうから、各社が持つ送電ネットワークを電力会社とは別会社にして一つにまとめ、需給のバランス調整はそこに受け持たせるというようなシステムにした方がいいのではないでしょうか。
 もう一つ、今回の事故で思ったのは大規模発電所を遠隔地に作って長距離を送電する、というのはリスクが大きい。そこがつぶれたら今回の様に一気に電力不足になります。
もっと発電設備は小規模な物を分散させる方がいいのではないでしょうか。小規模分散発電です。
 
 今でも大きな工場やコンビナートでは自前で発電設備を持っています。そこで余った電力は電力会社に買い取ってもらっている筈です。これをもっと拡大するのです。極論すると工場だけでなく公共施設、学校、商業施設、各家庭、まで発電出来るところではとにかく発電して、それを送電ネットワークで繋ぐと言うもの。各家庭の太陽光発電や、都市ガスから燃料電池で起こす電力、風力発電、小さな山村の低落差水力発電、海や川の水温差を使った発電、地熱発電、千葉あたりでは天然ガスも出るからそれでも発電。酪農場では家畜のし尿から出るメタンガスを使った火力発電。これらに蓄電池を組み合わせていけば、いずれも一つ一つは小規模ですがそれを集めれば今回の様に一気に電力がシャットダウンする事もなくなるんじゃないでしょうか。
仮に災害等で最悪ネットワークが損傷しても、その場で少しでも電力が取り出せればかなり助かりますよね。


 モチロン素人考えで、一朝一夕には出来ないことだし平時にやろうとしてもなかなか出来ない事でしょうが、今なら国民の同意を得やすいのじゃないでしょうか。
政治家には明日を見据えた復興政策を提示してもらいたいと思いますね。

それにしても、一声かけたら皆で節電。かなり電力使用量が下がった様です。
これが日本人の良い所ですね。
反面、今日も首都圏で食糧品を買いあさる姿が報じられましたが、チョット情けなく思います。
どんなに不便でも、家を失い着の身着のままお風呂にも入れない避難所生活を余儀なくされている被災者の事を考えたら、
私達は多少の不便は我慢しなくてはね。
本当に不要不急の買い物や車の運転は止めましょう。

0 件のコメント: