2009年10月2日金曜日

ジュエリー展とハイ・ジュエリー

今日はあいにくの雨の中、久々に銀座まで出かけました。

ミキモト・ホールで開催中の

『日本ジュエリーデザイナー協会45周年記念展』を観に行きました。
97名が各1点ずつの出品です。

 皆さんそれぞれの代表作と言えるような力の入った作品ばかりで、現代日本の新たなジュエリー表現がざっと見渡せるような感じでした。

 それぞれ1点だけのせいか大きくコンセプチュアルなオブジェ的なものが多く、ジュエリーと言うより現代彫刻展の雰囲気がしましたね。

 素材が貴金属にこだわらないのは今に始まった事ではありませんが、もうジュエリーとアクセサリーを素材で分類する時代ではなくなってるようです。

ではいったい何が境界なのか、はたまた境界は必要なのか、誰が決めるのか・・・。

わからないまま、ミキモト本店の階段を降りてゆくと、そこには紛う事なきハイ・ジュエリーの世界がひっそりと待ち構えていました。
最高級のダイヤやパール、一点の曇りもなく磨き仕上げられたプラチナ、18金、ホワイトゴールド。

 宇宙が生み地球が育んで熟練の職人が磨き上げた宝石を、コレ又熟練の職人が寄ってたかって一つのジュエリーに創り上げる。
 とてつもない長い時の流れの果てに更に関わった人間の人生や美意識が結晶となり、おそらくその輝きは関わった人間全てが死に絶えても半永久的に続く・・・・。

ジュエリーとは、関わった全ての人間がそういうものを創るんだ、と言う一方向を向いているもので、『人類の遺産』になるかもしれない宿命を授けられたものがそう呼ぶにふさわしい。

 吸い込まれる様に深く柔らかく照り輝く大きな南洋真珠や、輝きすぎて石の輪郭すら判らないダイヤのリングを眺めていて、何となく自分なりの答えに一歩近づいた気がしました。

同時に

『自分の作品はジュエリーと呼べるのか?』

『これから自分はどんなものを創って行くべきなのか』・・・・・。

相変わらず迷路の中に自分が居る事に変わりはない様です。

まあ結局、創りたいものを創る・・・しかないけどね。

 最先端のジュエリー、表現の新しい感性・・・そんな事を綺麗サッパリ忘れ去らせてくれるほど、最高級のハイ・ジュエリーには力が在りました。




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