2009年11月30日月曜日

札ビラで頬を・・・

お金の使い方ってなかなか難しいものですね。

 何に使うかはもちろんですが、どんな風に使うかで人柄、ひいては人格まで現れてしまう様で、だから『札ビラを切る』『札束で頬をたたく』なんて言い回しがあるのでしょう。
多分に金の無い方から見た金持ちのお金の使い方を言っている訳で、やっかみも入っての表現ですね。
でも今回のイベントで、札ビラで頬をたたくまでは言わないまでも、驚きあきれ腹立たしくなる事がありました。

 今回は私達TNTだけでなく、イラストレーターの杉井画伯のペン画も展示し、DMにも使った絵を入り口から見た正面中央に展示しました。
土曜にそれを買われたお客様がいらしたのですが、なんと今直ぐもって帰ると言われるのです。

 お客様の事情を私は直接聞いていないし、画伯がそれをお許しになった以上私がそれをとやかく言う事は無いのですが・・・・・。
お客様の奥様が隣のギャラリーで趣味の陶芸をグループ展示されている方なので、会期を一日残し画伯も事を荒立てたく無かったのかもしれませんが・・・。

 でもしかし、メインの絵が無くなると言うのは会場全体のディスプレーデザインのことを考えても、またDMを見て御来展下さる方の事を考えても困ってしまう出来事です。

 私は作品展での展示作品は、会期中は展示して皆さんに見てもらい会期終了後に受け渡しするのが、常識というかマナーなのだと思ってました。
モチロン私の作品の様に同じテーマのモノが沢山あって、補充が効くなら話は別ですが。

 世界に二つとない作品展のメインの作品を早く我が物にしたい、今夜お客様が来るから見せたい・・・気持ちは解りますが、「現金で今直ぐ払うから持って帰って良いでしょ」と言うのはいかがなものかと思うんですが皆さんはどう思われますか?

 翻って、初日か二日目に別の絵をお買い上げになった老夫婦は最終日まで待って下さり、わざわざ閉展前に改めていらして何度も感謝のお辞儀をされて作品を受け取って帰られました。
おそらく題材になった飛騨白川郷に思い出がおありなのでしょう。
加えて画伯への敬意が感じられました。

こんなお客様に買われた絵の方が幸せだろうなあ、と思わずにはいられない出来事でした。

 どちらのお客様が経済的に裕福なのか見た目で判断は出来ませんが、そのお金の使い方一つとっても老夫婦の方が謙虚で心豊かな方に見えます。

 まあお金の使い方だけでなく、人間の全ての行動にはその人間の全人格が現れる・・・今更ながら当たり前の事に気がつかされた出来事でした。


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