2010年12月25日土曜日

How to make Titanium Jewelry 1

さて、個展も終了したので以前お話しした様に、どんな風に制作しているかをチョットずつお話しようと思います。
今回の個展のDMに使った作品の製作過程を写真に残してあるので、それを使います。
作業風景は残念ながら撮影してないのですが、自分で作ってらっしゃる方は大体想像が付くでしょうしね。


まずはデザインの決定です。
紙に書いて大きさと大まかな形を決定したら、ワタシは一旦それを真鍮板(厚み1.0mm)に写します。
そうしてそれを切り抜いてヤスリで整形しながら最終的な形を決定します。
なんでこんな手間をかけるかというと、デザインを仕事にしている訳ではないので鉛筆で決定的な一本のラインが描けないからです。
真鍮板で形が決まると、それを転写した紙をチタン板に貼って切り抜いて行きます。
まずは表になる厚み1.5mmの板から。
さすがにこの厚みになると、糸鋸で抜くのも大変です。
糸鋸の刃がどんどん切れなく成って行くのが解ります。
つい、いつもの貴金属のつもりで身体が覚えているリズムで切って行くと、熱の伝わりにくく、従って切削箇所に熱が溜まりやすいためなのか、刃先がすぐに鈍ってしまうようです。
普段貴金属を切るより太い糸ノコ刃で、ゆっくりしたストロークで切って行った方がいいようです。
機械で加工するなら切削油をジャブジャブかけて、刃先を冷やしながらの作業になるのでしょう。
これ一枚切り抜くのに、ノコ刃が軽く半ダースは切れなく成るか折れるかで消耗します。
今回は大きなサイズの作品が多かったので、普段使っている糸鋸フレームではもとの板から切り抜けないので、大きなサイズの糸鋸フレームも必要でした。


切り抜いたらバーナーで加熱し、焼き鈍して凹凸をつける作業にかかります。
今回は単純に膨らませるだけでなく花びらの中央に稜線を付けたかったので、専用のタガネを作った事は以前書きました。
上の写真右側がそのタガネです。使用後なのでスリキズが付いています。
こちらが肉出し後に裏から撮ったもの。
タガネの跡が解るでしょうか。

 裏から叩いて花びらのふくらみを付けたら、今度は表から花の中心を左側のタガネで叩いて凹ませます。
これを荒い研磨剤で磨いて仕上げたのが下の写真です。
ある程度磨くと光がこんなふうに反射してハイライトの形で表面の凹凸が解りやすく成ります。
不自然な所は再度叩いて修正していきます。
その後裏も磨きます。
これで表側の準備が完了です。

続きはまた次回にでも。

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