2011年1月9日日曜日

How to make Titanium Jewelry 4

そろそろ続きを・・・。

 さてブローチピンですが、今回はモノも大きいのでピンはダブルにします。大きくて重く成るブローチにはダブルピンを使う事が、高級品には多いと思います。
針が一本より、二本の方が身体に密着して下を向いたとき等にぶらぶらしにくいのです。
更に装着する向きも自由度が増します。
だから金具を納めるスペースがあればダブルピンを使用します。

まずはピン部分の制作。
なるべくピンが長い方が装着したとき安定するので、本体の裏をみて一番長いスパンをとれる所を探します。そこに合わせてピン部分の長さと二本の間隔を決めます。
ピンには1.0mmステンレス・バネ線を使用します。残念ながら、チタン線ではそれほどの硬さと弾性がないのです。
下の写真で、二本のピンが刺さっている部分は2mm厚のチタン板を削り、断面に穴を二本分あけてピンを差し込んであります。
見にくいかもしれませんが、板状の部分の中央に突起があります。1.5mmの丸線が立っています。
後半でも説明しますが、これは金具の倒れる角度を調整する為の重要な部分です。
 ピン部分が形になったら、それに合わせてヒンジ部分をやはり2mm厚のチタン板から削りだします。
ヒンジが本体と接する面が今回は複雑な曲面になるので、それに合わせてしっかりすりあわせる事が重要です。この部品には金具の開閉時に結構力が加わるので本体としっかり接合しなくてはなりません。
下の写真で見えている部分の反対側にも溶接スポットを何カ所か設けて、シッカリ接合します。
 ヒンジには先に作ったピン部分をかしめる軸のための穴が開いていますが、溶接後にその軸が入れられるかも確認しておかないといけません。今回は本体と腰板の間から軸を入れられる事を確認してあります。

 もちろん、ヒンジの溶接前にはピン部分をセットしての動作も確認しておきましょう。
この場合、ブローチ金具のキャッチ部分まで倒れなければいけないのは当然ですが、反対側には途中迄しか倒れない方が装着しやすいようです。
ですから、キャッチ方向を時計の文字盤で九時とすると、ピンを開いたときは一時か二時で止まる様にします。
ちょっと見にくいけどキャッチも2mmのチタン板から削りだして作り、本体との接合面をすりあわせて接合します。
 ヒンジとキャッチの接合が済んだらピンを固定するのですが、まだ加工が残っているので、調整だけにします。
 先にピン部分を作った時に裏に突起がありましたが、その長さを調整してピンがキャッチ方向に降り切った時に、下の写真の様にキャッチの少し上、途中で止まる様にします。
この後はピン自体の弾力でキャッチに納めます。
 すると、下の写真の様にピンが緩やかなアーチを作ってキャッチに納まります。
こうするとピンと本体の隙間が大きく成り、厚手の衣服でも装着しやすくなります。
金具を開放する時も、二本のピンを指でつまんで中央に寄せるだけでキャッチからピンが跳ね上がってくるので、従来のダブルピンの装着しづらさが幾分か改善されるのです。
 この調整は市販の普通のブローチ金具で、ピンが一本でも同様。
手を放した時、ピンがキャッチまで完全に降り切らない様に調整します。
金具についてはここまで。
次回は先に作っておいた石座を本体に接合します。


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