2010年6月28日月曜日

情けは人の為ならず・・・

という格言があって、情けをかける事は良く無いと誤解されてる・・・なんて話を聞きますね。
ちなみに、正しくは人に情けをかける事はそれが廻り回って自分に帰ってくるのだから、結局は自分の為になるんだ、ということだそうです。


 今日もテレビがつまらないので、我が家では夕食時にDVDに録画してある『男はつらいよ』を見ました。
この映画は相手を思いやる”情”の美しさを感じさせてくれます。
もっとも、時として相手を傷つけまいとの考えが行き過ぎたりして、それが却って相手を傷つけたりしてしまうんだけど・・・・そこは喜劇映画ゆえなんでしょうね。


 サクラが兄の寅さんを思いやる様子は毎回見ていて涙が出るんですけど、それ以上に寅がマドンナを思う気持ちは子供の様に純粋で、これまた行き過ぎていて笑えてしまうんですね。
でも、寅さんは心底マドンナの為なら『にっこり笑って死ねる』訳です。
不幸な彼女の夢を叶えてやりたい、楽させて上げたいと言うのは経済力の無さで哀しいかな無理なんで、せめて傍に住んで見守りたい・・・自分の人生は捧げますという心底なんです。


 寅が場末のキャバレーで歌うリリイの姿を見て『大きな劇場でリサイタルを開いてやりたい・・・』とサクラ達に夢物語を語るシーンが私は大好きで、それをかなえてやれない己の情けなさに自嘲気味に語るシーンは見る度に涙が出ます。
寅さんも、自分は世の中大勢の人のお役に立てない事はよ〜く自覚してるから、少なくともたったひとりマドンナの為に生きたい、と思ってるのかもしれませんね。
でも、それさえも出来ない自分の情けなさ・・・。


 自分を含めて、最近では薄れて来つつ有る『人の為に生きる』という精神が、ここには脈々と息づいています。
そう言えば子供の頃は周りの大人は皆『人に迷惑をかけないようにしなさい。世の中の人のお役に立つ人になりなさい』と言ってましたね。
自分の幸せよりも、大切な家族や愛する人の為になることを第一に考える・・・だから身の程知らずな寅の純愛は『馬鹿だねえ!』と笑われこそすれ、軽蔑されてはいない。


みんなどこかでそんな気持ちが大事、と解ってるからでしょうかね。
きっとそうだと思いたい今日この頃です。

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